Information

Output

Blog

その82

詩集の平均実売数(先輩詩人のアドバイスは、聞くな)

そもそも本が売れないと言われるこの時代、数ある文芸ジャンルの中でも詩集は特に売れないという噂を聞いてきたが、実際、平均実売数とはどのくらいなのだろう。

とある業界関係者のネット記事を見たところ、なんと、、、50冊程度だという。

様々な自費出版会社のサイトを見てみると、そもそも多くて50冊しか制作しない方は多いのだそうだ。

最近流行りのChatGPTに尋ねてみたところ、「平均実売部数は50部以下と言われています」「一般的に、日本の詩集の平均実売数は数十部程度と言われています」とのこと。


なるほど。


翻って自分自身の経験はと言うと、2022年に生まれて初めて詩集を出してみた。つむぎ書房様刊行の『ことばの宇宙飛行士』。

Amazon新着ランキング1位、売れ筋ランキング3位になったという事もあり、2023年5月時点で発売からまだ1年だとしても、ありがたいことに平均より大幅にお求め頂いている。感謝。

だけど、平均実売数の数値に関して、「わかるわぁ」という感覚を持つに至った。


ちなみに、坂本龍一さんの1st Solo Album『千のナイフ』が発売当初売れたのは200枚という事だったので、やはり、詩集の平均実売数50というのは、目安としてリアリティのある数字かと思う。

(教授のこのアルバムは、YMOとして自身が売れた後、遅れて数十万枚ほど売れたのだそう)


つまり、伝えたい事は以下の2点。


[1]自費出版を考えているなら、気をつけて

・240万円(1100部発行)

・100万円(500部発行)

という提案を自費出版の大手企業から頂いた事があるが、その時の自分は平均実売数を知らなかった。知っていたら、このオファーに対して検討もしなかったと思う。夢を見るのも良いけど、現実の経済活動を美しく行う事もARTだと思う。気をつけて。


[2]先輩詩人のアドバイスは、聞くな

俺が憧れてきたアーティストは、水木しげる・藤子不二雄・忌野清志郎・YMO・LED ZEPPELIN・THE ROLLING STONESなど、メジャーな存在、スターだ。

君もそうだろう?そうだったろう?

・自分よりも20歳以上も年齢が上

・現代詩文庫を全部読みました

・詩の雑誌に投稿作品が載った

・受賞歴がある

とか色んな方を知る事になるかもしれないが、市井のひと50人にしか受け入れられてない詩人のアドバイスをインプットしても、良いアウトプットは生まれ得ない。

商品・サービスの価値を決めるのは、お客様だ。

作り手側(詩人コミュニティ)がいくら「良いものだ」と叫んでも無意味なので、アドバイスを聞くべき人を間違えないよう、気をつけて。

「漫画家になりたいなら、漫画から学んでいてはダメだ」という手塚治虫先生のアドバイスは、現代詩人こそ聞くべき。


一方、詩の歴史を見渡すと、尊敬すべき詩人がいる事も事実。

周りの(平均的な)空気に流されぬよう、自分の価値観・アンテナを信じ、自分だけのオリジナルな目標に向かって愚直に突き進め。



またここで、二人で会おう。



身近な愛を、たいせつに。

( )

Feed - RSS

arrowup

Input

Review

Profile

このサイトについて

詩人・南條雄一の公式ウェブサイト。プロフィール、作品紹介、ブログなど”最新情報”をお伝えします。人生は、推敲し続ける一篇の詩。遅咲き蕾にうるおいを。

南條 雄一について

「身近な愛を、たいせつに」暮らす詩人。絵・音・Webにハマったハマっこ、詩にフォーカスでアラフォーデビュー

詩集『ことばの宇宙飛行士』(2022/4/18 発売) ※Amazon新着ランキングにおいて「詩歌」「現代詩」の2部門で1位獲得!

もっと見る

Let's Connect!

Newsletter - 最新情報Get!Emailで、

1. 入力 > 2. 確認 > 3. 完了

前へ

上へ