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その85

詩集の組版 - 詩集の作り方 [3]

本の構成が決まったら、次は「組版」。

組版とは、ただのテキストだった原稿を、レイアウト指定に沿って、実際に印刷される形にページを作成する事。


考える対象は、

・扉ページ

・目次ページ

・本文ページ

などの全てのパート


考える事は、

・[1]フォントスタイル

・[2]フォントサイズ

・[3]行間

・[4]改行

・[5]改ページ

・[6]縦書き/横書き

・[7]目次ページにおける、作品毎の「ページNo」表記

など


以下、より詳細に、詩集『ことばの宇宙飛行士』におけるレイアウト指示を記す。


[1]フォントスタイル

本編の詩に関しては、

・タイトル : ゴシック体

・文章 : 明朝体

・ページNo : モトヤ教科書(?)・・・字のハネなどがほぼ無く、情報量が少ないフォント

を基本ルールと定め、それに基づき、

・扉ページの書籍タイトル

・目次ページの作品タイトル

などは、ゴシック体とした。


[2]フォントサイズ

特に、目次ページにおいて、

本の構成がわかりやすいように、

「大枠 : 3部」「小枠 : 5章」「各作品」それぞれの重みを表現するよう、フォントサイズを変えた。


[3]行間

これも、目次ページにおいて、

本の構成がわかりやすいように、

「大枠 : 3部」間では、2行の空行を入れ、

「小枠 : 5章」間では、1行の空行を入れる

など、視覚に訴える工夫をした。

休符も音楽であるのと同じように、空行もメッセージなのだ。


[4]改行

目次ページにおいて、作品の「サブタイトル」の途中で改行されて2行に渡って表現されていると読者が理解しにくいと考え、

サブタイトルは1行で表現するようにした。


[5]改ページ

1篇の詩の内容が起承転結を描いている時など、

ページをめくった途端に「転」が現れるように、微妙に改ページ位置を調整した。「演出」である。

これなどは、かつて読んでいた『週刊少年ジャンプ』などの漫画雑誌からの影響。


[6]縦書き/横書き

詩集『ことばの宇宙飛行士』の特徴の1つだと思うが、

基本的に縦書きの作品群の中に、一部横書きを忍び込ませた。

そして、横書きで表現された作品は、文字で「絵」も表している。カリグラムという詩的技法。

実作品について説明すると、

・「死者の書」 : 悪魔崇拝のシンボルとされる逆十字

・「あすか」 : 前向きの小鳥

・「降りつもる愛」 : クリスマスツリー

となっている。


他に、縦書きと横書きが混在している詩集はないか?と探した所、

『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(最果タヒ)を見つけた為、

もし出版社から混在に関して難色を示された際には反論しようと、理論武装だけはしていた(笑)。

実際には、特に問題なく、対応して頂き、感謝しています。


[7]目次ページにおける、作品毎の「ページNo」表記

[3][4]に加え、目次ページにおいて、どの作品が何ページ目から始まるかを示す表記方法に関して、頭を使った。

これは、作品毎に最適解が違うのだと思う。

目次の1ページ内に、2行に渡って作品名を記載している場合、ページNoの表記方法によっては、

上段の作品に関する情報(ページNo)なのか、下段に関するものなのか分かりにくかったので、

作品名とページNoを「・・・」で繋ぐというデザインの力によって、解決した。


このように、本の隅から隅までレイアウトルールを設計していくのだけど、

例の「大枠」「小枠」の概念など、作者である俺は理解していても、組版を担当してくださる方には0からイメージを伝えるのが難しかった。

また、作業途中にはルールから逸脱されてしまったり、1pxだけのズレなども発生し、修正指示は189回ほどにも及び、

ご担当者様には大変お手数をお掛けしてしまった。

ただ、こちらにとっては、一世一代の大仕事との想いがあるので、1pxのズレも見逃す訳にはいかなかった。

組版は、とてもエネルギーを使う工程。


修正指示をするに当たっては、「課題管理表」というスプレッドシートを用意し、そのシートベースでコミュニケーションを図り、全ての問題をクリアしていった。


俺は、この工程に入る前に、

・『なるほどデザイン』(筒井美希)

・『ほんとに、フォント。』(ingectar-e)

・『すべての人に知っておいてほしいグラフィックデザインの基本原則』(大里浩二 監修)

などの書籍を読み、デザインに関する知識に触れていた。


以上、これらの情報が、君の今後の創作活動の役に立ちますように。

是非、実際に『ことばの宇宙飛行士』を手に取って、今回の内容と照らし合わせ、組板の効果や狙いを感じ取ってみて欲しい。


次回は、装画制作について。一番スリリングで、楽しくて、満足度が高かった工程について、俺が考えた事、した事を伝えるね。



またここで、二人で会おう。


身近な愛を、たいせつに。

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このサイトについて

詩人・南條雄一の公式ウェブサイト。プロフィール、作品紹介、ブログなど”最新情報”をお伝えします。人生は、推敲し続ける一篇の詩。遅咲き蕾にうるおいを。

南條 雄一について

「身近な愛を、たいせつに」暮らす詩人。絵・音・Webにハマったハマっこ、詩にフォーカスでアラフォーデビュー

詩集『ことばの宇宙飛行士』(2022/4/18 発売) ※Amazon新着ランキングにおいて「詩歌」「現代詩」の2部門で1位獲得!

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