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その55

漫画からの影響1・デフォルメ2

漫画の大きな特徴の一つに、「デフォルメ(誇張)」がある。

音におけるデフォルメに関しては既に語ったが、言葉に関しても影響を受けている。


作詞に関して。
RC SUCCESSIONの名曲「トランジスタ・ラジオ」にこんなフレーズがある。

・授業中アクビしてたら 口がでっかくなっちまった
・いねむりばかりしてたら もう 目が小さくなっちまった

すごく漫画的だよね(笑)
最高のフレーズだと思う。

漫画表現を歌詞に取り入れる手法は、この歌から学んだかもしれない。

俺も、「本当の気持ち」と「僕らの音楽」って歌を書いた時に意識的に漫画表現を取り入れたよ。


また、石川さゆりの名曲「津軽海峡・冬景色」(阿久悠)の冒頭フレーズはこうだ。

・上野発の夜行列車おりた時から 青森駅は雪の中

これも、ある種のデフォルメと言えるんじゃないかな。
上野から青森までの長い距離、長い時間をシュっとコンパクトにまとめている。列車の中で何を想ったとか、途中の出来事や風景はバサっとカット。
これも、「模写」とは違う魅力だよね。

今気付いたけど、このフレーズ、夜行列車から想起される「黒」から雪の「白」への開放感が素晴らしいね。コントラストの美。

阿久悠氏のエッセイ『文楽』を読んだんだけど、詞を書く前に行うストーリーへの肉付けが凄まじい。実際文字には現れない「背景/状況」を事細かに設定しているんだよ。この表に出ない努力量がリアリティを生んで、人を惹きつける力になるのだと思う。


まとめるね。
作詞においても、デフォルメの手法は非常に有効。

またここで、二人で会おう。

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詩人・南條雄一の公式ウェブサイト。プロフィール、作品紹介、ブログなど”最新情報”をお伝えします。人生は、推敲し続ける一篇の詩。遅咲き蕾にうるおいを。

南條 雄一について

「身近な愛を、たいせつに」暮らす詩人。絵・音・Webにハマったハマっこ、詩にフォーカスでアラフォーデビュー

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